中国茶アーティスト 森 一華が主宰する[鎌倉中国茶倶楽部 一華]は湘南モノレール西鎌倉駅から徒歩8分。中国茶教室・茶会・イベント情報などを随時アップします。


by yonaha510
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茶と人に出会う旅 in ハノイ / No.8 蓮茶を飲み比べる

朝晩過ごしやすくなって少し秋めいてきたかと思ったら
今日はまた夏に逆戻りしたかのような日差しです。
ハノイのお茶事情について少しずつ綴ってきましたが、
こちらの特産の蓮茶についてまだ触れていなかったですね。

蓮茶も何軒かのお茶屋さんで試飲しましたが
なかなか好みのものが見つからず、
堂々巡りのようなカタチで、最初に訪れたお店でやっと蓮茶の美味しさを実感しました!
お茶は淹れ方によって味が変わってしまうとてもデリケートなものですから。
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上の写真の左が、そのお店の蓮茶。
ベトナムの観光ガイドブックには必ず紹介されている有名店がつくっています。
そして、写真右は最近何度も足を運びいろんなお茶を飲ませていただいている店のもの。
どちらもハノイを代表する店の高級茶だけあって甲乙つけがたい味わいがあります。
茶葉を見ただけで違いがわかるでしょうか?

蓮茶のつくり方を簡単にまとめると、6月中旬から8月中旬にかけて咲く蓮の花を、
まだ咲き始めない早朝から摘んで、花の中のおしべの先端部分の葯と小さな花びらを取り出し
茶葉に香りをうつしてゆくというものです。
これが大変な作業で100グラムのお茶をつくるのに100個以上の花が必要です。
香りをうつすために、素焼きの器に茶葉、葯と小さな花びらを何層にも重ね
何十時間かおき、葯と花びらを取り除いたら再び新鮮な葯と花びらを使い
同じ作業を繰り返します。この作業が7~8回。
中国茶の茉莉花(ジャスミン)茶の高級品も同じような作り方がされますが、
やはり美味しいお茶には時間と手間がかかっていることをあらためて実感します。

さて、使われている茶葉ですが、写真左の茶はsnow teaを3年ほど寝かせた葉を使用。
写真右は緑茶を使用。
どちらもベトナム北部のハザン省(ベトナム北部、中国雲南省と接しています)の
大きな古樹から摘み取られたものです。
snow teaは私がこちらでもっとも美味しいと感じたお茶の種類ですが、
私の気に入りのsnow teaはハザンより少し南西に下ったソンラ省でつくられたもので、
年に5キロほどしか作られない希少なものと聞きました。
お茶のカテゴリーがあまり明確でないベトナムですが、snow teaは白茶に近い味がします。

2種類の蓮茶を飲み比べると、1煎目は、
寝かせたsnow teaの方はそこに蓮の花が咲いているかのような
気品のある香りがたちのぼり、かすかな甘みをおびた茶がやさしく口の中にひろがります。
緑茶の方は、乾いた時の印象ほどには香りはたちませんが、
ボデイのある味わいに甘さがしっかりと感じられて味覚が目覚める感じがします。
杯を重ねると、前者は寝かせたsnow teaならではのカドのとれた柔らかさとスモーキーさが
特徴的で、香りはいつまでも続きます。
後者は上質の緑茶ならではのシャープな飲み口が冴えて、香りにはメントールの心地よさが
際立ってきます。
どちらも10煎ほど楽しめます。
日本にも持ち帰りますので、ご興味のある方は一華にいらしてくださいね。

じつは蓮茶にはもうひとつの製法があるのをごぞんじですか。
それは蓮の花が咲き乱れる6月、7月だけのもの。
夜のあいだに蓮のつぼみの中に茶葉をおき、しばっておきます。
早朝、そのつぼみを切り取り、蓮の香をしっかり吸った茶葉を取り出すというシンプルなつくり方。
手の込んだ前述のお茶には及ばないようですが、旬にしか味わえないというのが魅力ですね。
このお茶は生もののようなものですから、一日しか店頭に置きません。
今年はこのお茶を買いそびれましたが、来年は知り合ったお茶屋さんの
おばあちゃんの船にのせてもらい見学したいと思っています。

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そして今回も街の人気B級グルメをご紹介。
ベトナム料理といえばフォー(米を使った麺フォーの汁麺です)。
具材によってさまざまな種類がありますが、
上の写真はフォー・ガー、鶏の汁麺です。
かぎりなくクリアなスープは見た目どおりのすっきりとした美味しさ。
鶏の胸肉もやわらかくて、スープと揚げパンの相性もぴったり。
下の写真はスープをつくっているずん胴鍋です。
近頃は店先のずん胴鍋をのぞいて美味しそうなところに入るようになりました。
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週末の食べ歩きはベトナム暮らしの最高の楽しみ。
下は、別のフォー・ボー(ビーフのフォー)屋さんの店先で大きな鍋の様子を見る店員さん。
このあと、使用された牛骨が鍋からどっさり出されるのを見て
この店のスープの美味しさを納得しました。
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9月30日はこちらの中秋節。中国文化が根付くベトナムではまちのあちこちで
臨時の月餅屋が立ち並びます。ハノイでは今年の売り上げがかんばしくないと
新聞に出ていましたが、やはり時代の流れでしょうか。
おいしいものが他にもたくさんあると、あまり手が伸びなくなるのかもしれませんね。
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by yonaha510 | 2012-09-22 18:41 | 茶と人に出会う in Hanoi | Comments(0)